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踊る宰相  


 煙草と杏仁豆腐2
  


 さすがに不敬罪云々と言われると、一応それ相応には気にしているつもりの杜陸である。目の前にいる少女は、確かにかなり美しい容貌だった。後宮にうろうろしていても遜色はないだろう。だが、ただ美しいというより、少女にはきりりとした印象がある。相当しっかりしていそうであるし、あの恐ろしい後宮でも十分やっていけそうな感じがした。
 彼女が皇后になった時には、すでに皇帝はかなり加減が悪かったらしい。その前にかなり後宮の女官達が揉めていたらしいので、適格者がいないのもあって若い彼女が形式上皇后にたったのだろう。このしっかりした娘なら、それにはそれなりにふさわしいかもしれない。
 だが、そんな彼女が目の前にいるのは、どちらにしろ異例だ。大方目的も予想がついているだけに、杜陸は冷たく言うのである。
「はー、ったく、マジかよ。で、何のご用でございますか〜皇后陛下。」
「わざとやってるでしょ。今は皇太后です。」
「では、その皇太后陛下が何のご用で?」
 じっと彼女を見る。ちゃんとした名前は知らないが、雷氏(らいし)という南方からきた娘だという話だ。元々の身分はそれほど高くないが、まあまあお嬢様なのかも知れない。
「何人の顔見ているの?」
「いいやあ…」
 雷太后が睨むような顔をして訊いてきたので、杜陸は煙草を吸いながら、やや目を逸らしつついった。
「噂には聞いていたが、ここまでコムスメだと思わなかったぜ。しーかし、あの皇帝も信じられねーな、こんなガキに欲情するとは…。あの弱々しい顔でなかなかやるねえ。さすが、後宮、退廃コレにきわまれりだよなあ。」
「下世話な言い方しないでよ! そして、言っておくけど、あたしが入内したときには陛下は既に死にかけでした。あたしが皇后になったのは、陛下の側にいる人たちがお互いにつぶし合った末、適格者がいなくなったのと、自信がないって頼み込まれたからです。」
「…あ、そういえばそうだったよなあ。じゃあ何か? お前、ひょっとして行かず後家決定か。いや、ホントの意味での行かず後家だな、わはははは。」
「今、本気で殺意を覚えたわよ…。覚えてなさい。」
 雷太后は、じっと目の前の男を見る。宰相の筈の男は、宮中のあの柔らかい物腰はどこへやら、のびあがるようにして煙草を吸ったり酒を飲んだり、とにかく偉そうだ。今の態度ですでに手打ちにしてしまってもいいぐらいだが、とにかく今は我慢するしかない。この男は、こう見えても国の中で一、二を荒そう恐ろしい切れ者なのだ。とにかく、味方に引き込まなければ――。小娘の雷太后だが、その辺の事情はちゃんとわかっている。
「旦那様。」
 不意に戸が開いて、召使いの男の姿が見えた。結構ごつい感じの男だが、その手の盆の上にあるのは、可愛らしく盛りつけられた杏仁豆腐だ。どうも彼は杜陸の家の料理人のようだった。
「おお、夜に悪いなあ。この小娘がわがままだから。」
 ちらっと悪意ある目を投げかけてくる杜陸に、雷太后はとげとげした口調で言い返す。
「誰も、もてなしてくれとはいってませんけど。」
「表情がそう語ってましたけど。」
 しかし、相手もさるもの杜陸はさらりと返してくる。そして、料理人を追い返すと、杜陸は一応手ずから彼女の目の前に杏仁豆腐の皿を置いて、どさっと座った。自分も杏仁豆腐を食べるつもりらしく、自分の前にもしっかりと置いている。
「オレは、あまり人にもてなしたくないんだけど〜、まぁ、これで腐らすよりはマシだよな、食っていったら?」
 何となく警戒しているのか、じっと彼を見てくる雷太后に、杜陸は、ああ、そうだ、と付け足す。
「いっておくが毒は入ってないぞ。てめーみてーなガキに毒なんて盛る気にもならねえし、そんなことしたらオレの名折れだからな。」
「底辺まで堕ちてる癖によく言うわね。」
「何とでもいえ。でも、お前みてーな小娘にこの部屋で死なれたら、ゲンが悪いったらありゃしねえ。祟りそうだしな、行かず後家は。」
「あなた如きに祟るほどあたしはおやすくないわよ。」
 むっとした顔の雷太后に、何となくとっとと小娘をあしらいたい気分の杜陸は、煙管をくわえたせいで空いた手を振って言った。
「ああ、そう。だったら、杏仁豆腐食ったら大人しく帰ってくれよな。」
「何よ、子供扱いしないで! 別にお菓子をたべに来た訳じゃありません。」
 雷太后は、きっぱりといいながらも、杏仁豆腐を手に取る。結局甘いものは好きなのだろう。しかし、まだ口に運ぶことはしない。一応警戒はしているようだ。
 杜陸はずいぶんと崩した座り方をしながら、物憂げに口を開いた。
「で、何をしに来た? …いっておくが、夜、男の部屋に一人でくるっつーのは、あんまり感心しないぜ。そおれに、あんたと噂立てられたらたまらねえもんなあ。」
 といわれ、雷太后は、彼の値踏みするような視線に気づく。どちらかというと、どういう相手か見極めている部類の視線なのだが、その台詞とあわせれば、年頃の彼女が警戒しても仕方がない。雷太后はばっと立ち上がり、少し後ずさっていった。
「何よ! あたしに手を触れようとしたら殺すからね! それに、ばっちり密通の罪がかかるんだから!」
「はぁ? 何妄想してんだ? オレはそういう趣味はねえっつの。」
 杜陸は灰を払いながら、不機嫌に言った。
「鏡見て物言ったらァ? オレは、ガキには興味ねえし〜って…! あっ、ちょっ、待て! 刃物を出すな!」
 ふと雷太后が懐に手を入れるのが見えた。その細い指はしっかりと短剣を掴んでいる。やや杜陸は慌てた。なにせ、彼は足の速さと頭の回転の速さと口には自信があったが、腕っ節にはさっぱり自信がない。下手に暴走されると止める自信がないのだった。
「ま、落ち着け…。わかったって、何の目的で来たんだよ。」
 慌てて話を戻そうとする杜陸を見て、雷太后はため息をつきながら腰を椅子に下ろした。
「じゃあ、率直に言うけど…」
 短剣から手を離し、雷太后はまだあどけない顔にひときわ目立つ大きな目を杜陸に向けながら言った。
「あたしは、あなたとお話をしに来たの。今は宮廷内は争いに満ちているわ。それをおさめるのには貴方の力が絶対に必要なの。」
 ああ、そう、と、気のない返事をしながら、杜陸は足を組み直した。相変わらず自堕落な態度である。
「はーん、オレを口説き落としに来たって訳か? いっておくが、オレも言葉を弄ぶ説客の一人だ。…絶対てめえみたいなガキには落とせないぜ?」
 そういって、横にふうっと煙を吐く様子は、なんだかとても腹が立つ。杏仁豆腐を顔に投げつけたい衝動に駆られつつ、雷太后は、それをどうにかおさえながらいった。
「な、なによ、やってみないとわかんないじゃない!」
「じゃー、せいぜいオレを同情させて見ろよ。一体どんな事情があるんだ?」
(こいつ…最悪!)
 だが、これも我慢だ。とりあえず、こいつを味方につければ、万事うまくいく…筈なのである。雷太后は、顔をあげて微笑みながら言った。
「ほら、陛下には斐皇子(はいおうじ)っていう子がいるでしょう? あの子のお母さんから、あたしはあの子を頼まれたの。帝の後継者って、今、いい子がいないでしょう? だから、この際、斐皇子をたててみたらどうかしらってそう思ったの…それで…」
「ははあ、それであの気弱そーな坊ちゃんを皇帝に立てたいとおっしゃるわけでございますね。」
「あなた、宮廷と言葉遣い違いすぎない?」
「家に居るときぐらい別にいいだろうがよ。あんただって、無茶苦茶な言葉遣いになってるじゃねえか。」
「う、うるさいわねえ! あなたのひどさから比べると、あたしなんて罪が軽いわよ!」
 雷太后は言い返し、ふらふらとしている様子の男を睨んだ。
「だから、あたしは、あなたに斐皇子の後見になっていただきたいの。どうかしら?」
「杏仁豆腐は適度な甘さがいいですなあ。私、甘いモノが苦手なもんで、適当に甘ければ割と許せるんですよ。」
 わざとらしいそらしかただ。むっとした雷太后はとうとう机を叩いて立ち上がった。
「はっきり応えなさい! 乗るの、反るの、どっちよ。」
 それは皇太后として十分威厳にみちた姿だった。十六やそこらの少女がもつ迫力ではない。だが、そんな威厳も神も恐れぬこの不埒な宰相には関係のないことだ。
「結論を急ぐなァ。あんた、意外に短気なんだな。」
 呆れたように言いながら、彼は一度伸びをした。 
「しーっかたがねえなあ。で…」
 と、杜陸は、煙管をかたんと机の上で一度叩き、雷太后を見た。
「いくら出す?」
唐突かつぶしつけな宰相の言葉に、一瞬雷太后はきょとんとした。いくら何でも、いきなりそんなことを訊かれると思っていなかったのだ。
「はっ? あんた何いってんの?」
「オレは自分の利益になることしかしないぜ? ミンパイラマ?」
「明白…なんて言えるわけないでしょ! なによ、その最低ぶり! 仮にも左宰相でしょ!」
「ああ、そう、国が乱れた時にどさくさに紛れて宰相になったという宰相ですが何か〜?」
「その口調、果てしなくむかつくわ!」
「…悪いね。口の悪いのは生まれつきなんだよ。」
「…やっぱり、決めた。あんたその内謀反おこしたってでっちあげて、こっそり宮中で誅殺ね。」
「やれるもんならやってみろォ。いっておくが、オレはあちこちから恨まれてるんだぞ。あんたみてーな小娘が手を下せるぐらいなら、その前に殺られてるっつーのわはははは。」
 この男、本当に一国を担う宰相だろうか。だとしても、人格的にどうなんだろう。雷太后は、ぐっとおさえてきっぱりといった。
「お金は出せません!」
「なんでだよ?」
「あなた、うちの財布握ってるんだから知ってるでしょ! 財政は火の車なの!」
「ああ、そうかい。じゃあ、この話はなかったことに。」
 ぱんと手を叩いて話を終わりにしようとする杜陸は、自分の分の杏仁豆腐を手にとって席を立とうとしたが、すぐに雷太后の声が飛んだ。
「ちょっと、待ちなさいよ!」
「ああ、まだ何か話が?」
 気の強そうな少女の顔をのぞきやりながら、杜陸は首を傾げる。
「あなた仮にも宰相でしょう?」
「何が言いたいんでしょうか、皇后陛下?」
 妙にアクセントをつけて嫌味っぽくいう杜陸を、雷太后は大きな目で睨み付ける。
「信じられないわ! あなたには忠誠心とかそういう類のものはないの?」
「何を聞かれてるのか理解できませんねえ。」
 すっとぼけてそんなことをいいながら、杜陸は手に持った杏仁豆腐を口の中に入れ、ふと鋭い目を雷太后にむけた。
「どーでもいいけど、即位させたら地獄だぜぇ? お前のダンナがそうだったように、権力者なんて下手したらロクな死に方しねえんだぞ。」
 何となく投げやりな杜陸だが、それには一応権力を掌握した彼自身の覚悟が見えるようでもあった。細い目に鋭い輝きを灯して、杜陸はじっと雷太后を見る。
「あの坊ちゃんにそれぐらいの器があるのかい。」
「そ、それはわかんないわよ。あの子はまだ子供なんだもの。」
 子供のあんたに言われてもなあ、と杜陸は思ったのだが、それは口には出さない。雷太后は、空気を吸って、「でも」と強い口調で言った。
「そりゃわかってるけど、このまま別の帝がたったら、あの子いつか粛正されるかもしれないじゃないの! 権力争いに負けた後の候補者の末路は悲惨な事が多いのよ?」
 雷太后は必死にそう訴えかける。
「あたしはあの子のお母さんから、あの子を頼まれたの。だから、あの子を安全なところで、立派な人にしなきゃならないのよ!」
「っーたく、ガキはすぐに熱くなるんだから。頭冷やして考えろ。大体、オレがあんたの味方したぐれえで後継者争いが落ち着くはずねーだろ。オレもこれ以上危険な目にあいたくねえからな。」
「絶対に駄目?」
 裾を掴むようにそうっとのぞき込んでくる雷太后を無視して、杜陸は袖を翻した。
「それじゃ今の話は聞かなかったことにするぜ。じゃあな、こむす…」
 そこまで言って、杜陸は一瞬閉口した。いきなり床に座り込んだ雷太后が顔を袖で覆っていたのである。
「お、おい…」
 慌てて振り返った杜陸の方を見ようともせず、雷太后はぐすりと鼻を鳴らして泣き始める。
「あなただけが頼りだってみんながいうから、あたしあなたに頼みにきたのに…。こんなひどい仕打ちをされるなんて…」
 ぐすっと声が聞こえ、ようやく杜陸はびくりとした。
「お、おい。やめろ…。オレはそういうのは…」
 そろっと杜陸は外を見やる。今日は離れに「彼女」がいるのだ。こんな姿を見られたら、又何か言われるに違いない。杜陸は、やや狼狽しながら、雷太后の方にしゃがみ込んで、どうにか泣きやませようと必死になった。
「あああ、義姉上にきかれたらどうするんだよ…。よせってば、わーったよ。悪かった、さっきのは確かに言い過ぎたって!」
「あら、陸さん。…なにやら娘の泣き声をききましたけど。」
その声をきいて杜陸は飛び上がらんばかりに驚いた。冷静というより傍若無人なこの男にしては珍しい。
 振り返ると、案の定、そこには美しい女が立っていた。無表情で人形めいた感じがする、冷たい美女である。だが、美しいと感じる前に、その背筋のあたりから立ち上る迫力に、杜陸は恐怖を覚えた。
 杜陸は一人で蘭州からでてきたわけだが、一応都に出ている遠い親戚がいた。親戚といっても、本当に遠い繋がりなのであるが、武官の杜堅悟(と・けんご)という男がいる。科挙(※官吏登用試験)受験中はさりげないながらに彼の家に居候し、いつの間にか義兄弟扱いになっていた。そして、妻の梅児が遠征に行ってしまってからは、「女手がないと何かと不便でしょう」というよくわからない理由で、杜陸邸にその妻が泊まり込んでいたのだった。
 杜陸は慌てて首を必死に振った。
「義姉上、な、何でもありません! こ、この娘は、イェンフェイの知り合いで…」
「まぁ。かわいらしい娘さんだこと。」
 のぞきこんで、杜堅悟の妻である姫氏(きし)は言う。本名は姫杏鈴(き・きょうれい)という非常にかわいらしい字面であるが、もはや今の杜陸は、その名前を笑う度胸はない。人形のようにしろい顔の中で、ひときわ目立つ切れ長の美しい目を、つ、と杜陸に向ける。背筋に悪寒が走り、杜陸は逆に無抵抗になった。もう駄目だ。自分はまな板の上に乗ってしまった。
 姫夫人は、冷たい声でぼそりといった。
「陸さん、私は別に女遊びが駄目とは言いません。むしろ、恋に身を焦がすあなたをみるのはおもしろ…でなく、まことに興味深い…。その相手が例え、年端もいかない少女で、あなたがそれに欲情するような男でも私はいっこうに構わないのです。退屈なわたくしの心をいやしてくれるのは、むしろ、そっちの方が…」
「大幅に誤解です! 私にはそんな趣味は! 大体、私が浮気をするはずがないでしょうが! 大体なんてもので癒されようとなさってるんですか!!」
 慌てて杜陸は否定した。そんな趣味はないし、大体梅児恋しい今の杜陸に浮気など考えられない。ここで変な噂を立てて、あの愛しい梅児が帰って来なければどうしよう。まあ、そんな噂でぐらつくような梅児でもないのであるが、好きな杜陸は、彼女をかなり美化しているので、彼女を繊細な女性扱いしているのである。
「それにしても…真夜中に年端の行かぬ娘を泣かせるとは、あなたもなかなか鬼畜ですわね。ああ、それとも、別れ話のもつれかしら?」
「違いますって! 何の妄想ですか! こら、お前も釈明しろォォォ!」
 振り返るが雷太后は、いまだにしくしく泣いている。
 そんな必死の杜陸に、姫氏は、にっこりと微笑む。その冷たい笑みが、恐ろしくて、杜陸は一瞬反論を飲み込んだ。そして、わかった。この美しい義姉は、大体状況を把握して、わざとからかっているのだ。
「陸さん。このことは黙って置いてあげます。だから、女性には優しくするのよ。もう泣かさないようにしなさい。」
「…わ、わかりました。」
 この年齢不詳の美しさを持つ義姉は苦手だ。ひっそりと、杜陸は「狐狸精」は、こういう生き物なんだろうなあ、などとそっと思った。姫氏はにっとぎこちなく笑うと、扉を閉めて言ってしまった。
杜陸は肩を落とし、ため息をつきながら振り返る。
「……し、仕方ねえなあ。な、泣くなよ。オレが、いじめたみたいだろ。わ、わかった。わかったってよ! …あんたに協力するっ…」
「まぁ、そうなの。ありがとう。」
 ふと明るい声が聞こえ、かたん、と杜陸は握っていた煙管を落とした。が、半分以上食べた杏仁豆腐はどうにかまだ彼の手の中に収まっていた。
 杜陸は、やや呆然として、目の前の少女を見ていた。先程泣いていたはずの少女は、すでに椅子に座って杏仁豆腐を口に運んでいる。
「意外にいけるじゃない。あたし、南方生まれだから、こういうの好きよ。」
「おい! おい、ちょっと待て!」
 杜陸は、ようやく我に返り、満面の笑みを浮かべている雷太后を睨み付けた。
「おい、さっき泣いてたんじゃあ…」
「あーら、この杏仁豆腐むちゃくちゃおいしいのねえ。杜陸、ほめてつかわすぞ。」
 袖で口を押さえつつ、おほほほほ、などとわざとらしいしとやかさで笑う雷太后だ。杜陸は思わず拳を握って天を仰ぐ。雷太后の大きな目が、きらりと一瞬光ったようだった。
「でも、あたしに荷担してくれるって聞いちゃったから、これであたしとあなたは一蓮托生ね! あなただって、さすがにあたしみたいな小娘を裏切ろうとは思わないでしょ?」
 ぐっと詰まりながら、杜陸は震える拳をさらに握りしめた。
(この、小娘ええええええー!)
 ぎらりと輝く目は、怒りと悔しさで燃え上がるようだった。
 ――はめられた〜〜! このガキ、小娘だと思って甘くしてればつけやがりあがってえええ〜!!

 これからは、女の涙だけでなく小娘の涙にも気をつけようと思う杜陸であった。





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背景:
©akihiko wataragi