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サギッタリウスの夜-25
 
 釈然としない思いを抱えつつ、シャーは、「カウス亭」を今日も訪れていた。
 酒場が休みのリーフィだが、さすがにラティーナと二人で街に出せないので、二人も一緒についていくことにした。今日は朝からすでに考え事に没頭していたシャーは、ここに来てさらに一人考え込むような様子を見せている。
 そんな彼への気遣いもあって、ここのところのいつもの席、つまり、ザハークとゼダと利用している席に座ったシャーから、リーフィとラティーナは、少し離れた席でとりあえず飲み物を注文したところだった。
 そろそろ、昼食の時間だ。カウス亭の亭主が、ゼダから食事の用意を頼まれている、と告げており、もう準備しているのか、あたりに香ばしい香りが漂っていた。
 カウス亭は、昨日の狙撃事件の影響を受けてか、再び客足が少なくなっているらしく、周囲に店員以外の人間がいないようだ。
 あの現場検証で何を得たのか、彼が建物の屋上にいたときに何かしらあったらしいというのは、ラティーナでも気づいているが、彼女でも声をかけ難いほど、戻ってきたときのシャーの気配はぴりぴりしていた。表向きは、愛想よく自分やリーフィに話しかけてきたが、あからさまに彼の持つ空気が変わっている。いらだっていることもあるのだろうが、今のシャーは尋常でなく殺気走っている。
 時々懐に入れた紙を眺めたりしていたが、そこに何が書かれているのかはわからなかった。
「どうしたのかしらねえ」
 ラティーナが、ほとんど独り言としてそうつぶやくと、リーフィは給仕が運んできた飲み物をラティーナに勧めつつ苦笑した。
「さあ、わからないけれど、何かはあったのでしょうね。シャーは、完全に切り替わっちゃっているもの」
「大丈夫かしら」
 ラティーナは、心配そうな様子だ。
「声をかけにくいけれど、一回訊いてみましょうか?」
「けれど、私たちじゃ、あまり役に立たないのじゃないかしら」
 リーフィは、そういってラティーナをなだめる。
「残念だけれど、男の人には男の人の世界というものがあるわ。私たちにだって、男の子が理解してくれない部分があるじゃない。それと同じね。特にシャーなんかは、戦う人だから、そういう独特の世界があるの。ああなってしまうと、非戦闘員の私たちの出る幕はないのではないかしら」
「でも、なんとなく心配じゃない?」
「そうね、シャーも、思いつめると怖いところあるから……」
 リーフィは苦笑しつつ、
「でも、そろそろ、同じ世界に入っていける人が来ると思うから」
 と、リーフィが言いかけたところで、ちょうど、ふいに扉が開いて、我が物顔で店に入ってきた青年がいた。
「なんだ、今日はリーフィとお嬢さんも来てたのか」
 というのは、相変わらずな様子のゼダである。
 ラティーナは、まだ、この得たいの知れない二重人格の不良青年に気を許していない様子だが、ゼダも、一旦本性を見せた以上、こういう反応は織り込み済みらしい。特に気にした様子もなく、ラティーナにも愛想をふりまいていた。
「あら、ゼダ。今日は遅かったのね。シャーが、待っているわよ?」
「おう、二人みてえな綺麗どころが来てるなら、もっと早く来たかったんだが」
 と、ゼダは、こういうときにもそうした気遣いを忘れない。リーフィやラティーナ相手に効果を求めるつもりもないので、ゼダはゼダで、色男の常として、これを無意識にやっているだけである。さすがにいきなり口説きはしないが、彼はそうするのが男の礼儀だと思っているのかもしれない。
「ちょっと、こっちも面倒なことがあってさ。ここんとこ、抜け出すのに苦労してんだ」
 ゼダは、やや渋めの顔になりつつ、シャーの方を見た。
「で、何だ、あいつ。今日はまた一段と重いなあ」
「ええ、さっき、一番最初にラティーナさんが襲われたところにいってきたんだけれど、それからずっと……」
「へぇ、ってことは、昨日のアレとはまた別の理由かな」
 ゼダは、そんなことをつぶやきつつ、二人の女ににっこりと例の童顔で微笑をくれる。
「ま、あんまり気にすることはねえよ。ちょっと話してくるわ」
「ええ、お願いね」
 リーフィは、そういってゼダを送り出した。
 ゼダは、シャーの雰囲気にも負けずに、彼の元に歩み寄った。さすがにゼダが来ると、シャーは彼にちらりとだけ目をやる。
「よ、昨日はご苦労さんだったな」
 シャーは、ちぇっと舌打ちして無言だが、ゼダは取り立ててかまわない。
「蛇王さん、まだ来てねえのか? 遅いな」
「ああ、昨日はこの時間には来てたのか?」
「俺が来る前にすでに座ってコーヒー飲んでたぜ」
 ザハークは、まだ来ていない。店主にも聞いてみたが、今日は姿を見せていないとのことだ。シャーは、そのことが気がかりになっていた。
 このまま、今日は来ないのか。それとも、何食わぬ顔で今日も現れるのか。果たして――。
「おい、お前、今日は、女連れの癖にいやに素っ気ねえな」
 シャーが、そのまま考え込もうとしたとき、ゼダが遠慮なくそう話しかけてきた。
「普段のお前なら、もうちっと軽くナンパでもしてるかと思ったが、難しい顔して黙り込んじまっててよ。悩みがあるなら、あの二人に話せばいいじゃねーか」
「けっ、お前と一緒にすんな。それに女の子にはできねえ話なんだよ」
 シャーは、ややぶっきらぼうに答えて、行儀悪く足を組み、その上に肘をおいた。
「ちょいと”恋文”をもらっちまったもんでね」
 憮然とした顔でそう嘯いて、ちらっと懐から紙を覗かせる。
 ゼダは、やや表情をこわばらせた。もちろん、これが本物の恋文などと真に受けたわけではない。シャーの手にあるのは、挑戦状なのだ。
「呼び出しをくらっちまったのさ。告白したいから一人で来いってな」
「おいおい、本気で一人で行く気じゃねえだろうな」
 ゼダが、眉根をひそめた。
「相手は誰だよ?」
「それがわからねえから、考えてるんだ。行くものか、行かないものか。罠なのか、罠ではないのか。皆目わからねえと来たもんだぜ。参ったね。つれえなあ、モテる男はよ」
 シャーは、口調こそ軽かったが、いつもの彼らしくなく攻撃的で皮肉っぽい。ゼダは、それをなだめるようなそぶりになった。
「そりゃあ、あのコたちには相談できねえな。物騒すぎるし、色気もありすぎるし、第一、女の前で浮気の話はご法度だぜ」
 でもよ、と、ゼダは続ける。
「なんか、コト起こす前に、ダンナに相談するって言ってたろ。一言、相談してからにしねえか」
「残念ながら、あのオッサンは、今朝の早くから不在だよ。どこに行ったかわかりゃしねえ」
 シャーは、口を尖らせる。そうだ。朝一で家に寄ってみたし、先ほどもここに来る前に様子を見に行ったが、外出しているようだった。シャーが、不機嫌なのは、そういった事情もある。相談しろというから、相談しにいったのに、どこにいったのか、あのオヤジ。
「ったく、肝心なときにいねえんだから、頼りにならねえオッサンだよ」
「それについちゃ、特に異論はねえけどさ」
 と、何気にジャッキールにひどいことを同意しつつ、ゼダは向かいの席になだれ込むようにして座った。
「俺でも話は聞いてやるけど、お前がそんな面してるトコ見ると、大分重い話なんだろ? んじゃ、ダンナみたいな修羅場散々くぐってる人の意見聞いておいたほうがいいんじゃねえか?」
 時々ゼダは、まともなことをいう。
「でも、ダンナが時間までにつかまらなきゃしょうがねえ」
 シャーが、不機嫌にそういうと、
「それじゃ、ダンナが無理なら、蛇王さんとかどうだよ? そろそろ来るだろうし、あのヒトも只者じゃなさそうだしさ」
「蛇王さん?」
 ゼダが能天気にそんなことを口にしたので、シャーは思わず反応する。
(その蛇王さんからのお手紙かもしれねえんだよ)
 そう思いつつも、さすがに口にするのははばかられて、シャーは即答しなかったが、ゼダのほうがその様子を見つつ言った。ゼダは、きらりと目を輝かせて、にやりとした。
「お前さあ、蛇王さんのこと、なんか警戒してんだろ?」
「い、いや、オレは別に」
 不意に図星をさされて、シャーは言いよどむ。
「オ、オレが蛇王さんを警戒するなんて、理由がないだろうが」
「そりゃどうかな。大体、各種事件が起こった後で、オレ達は蛇王さんと会ってるじゃねーか。用心深いおめえなら、あんなナリで腕の立つ蛇王さんに注意を払わねえはずもないしな」
 と、ゼダは、理屈を詰めつつ、不意に真顔になった。
「んでも、蛇王さんはよ、そんな土壇場で裏切る男じゃねえぜ。相談したなら、相談したで、ちゃんとした答えはくれるさ」
「何で言い切れるんだ?」
「そりゃー、オレの勘だ。オレはこう見えても、人を見る目はあるんだよ」
 自信たっぷりのゼダに、シャーは肩をすくめた。
「お前の人を見る目なんて信用できねえなあ」
「そんなことはねえよ。大体、オレの勘は外れたことねえしな」
 シャーに冷たく言われようが、ゼダは自信を崩した様子はない。シャーは、ややあきれ気味だ。
「自信過剰じゃねえか?」
「そんなことねえって。それに、お前だって、なんだかんだで今日もここに来たし、昨日も約束をしただろ。お前だって、警戒はしているものの、蛇王さんは悪いやつではなさそうだ、とか思ってる部分もあるだろ? てことはだ。オレとお前の勘が一致してるんだから、これは大概大丈夫ってことさ」
 なんとなく強引な理論だが、ゼダのほうは確信を持っているようだ。
(コイツ、……蛇王さんについては、本当に素直に慕ってんなあ)
 そう、ゼダがそういう答えを持っているのは、おおよそ予想ができていた。自分とて、ザハークを信用したい。しかし、一方で、ザハークに疑念を持っているのも確かなのだ。今日ここにきたのは、それを確かめる為。
 罠を張る為だ。
(問題は、相手がかかってくれるかだが……。その前に、来なきゃ意味がない。いや、来ないということは、確定ということなんだが……)
 シャーがそうした考えを頭にめぐらせた時、不意に、リーフィの澄んだ声が響いた。
「これは、魚の蒸し物よ。王都は、海岸からそれほど遠くないから、漁港から新鮮な魚が毎日運ばれてくるの。川の魚もよく食べるけれど、海の魚の料理は、臭みがすくなくて美味しいわ」
「ほう、そうなのかっ!」
「特に香辛料がいいのよ。魚のにおいも消してくれるし。あとは、この国特産の岩塩の味もなかなかいいものなの」
「おお、そういえば、岩塩が名産だと聞いたことがあるぞ。メシがうまいのはそのせいか?」
 と、大声で感心しているらしい髭の男が、いつの間にやら、リーフィとラティーナのいる席にちゃっかりと座っていた。 ラティーナは、突然現れたこの天真爛漫な髭の大男に対して、やや警戒している様子だが、リーフィは、普段、シャー周辺の人間を含め、一癖も二癖もある人間と付き合うのが常であるためか、いつもの表情を崩していない。ザハークに敵愾心がなさそうだということも、彼女の態度に影響しているのだろう。
 見れば、彼女たちの前には、料理が一品すでに届いている。見慣れない料理があったので、ザハークは彼女達にこの料理はなんだろう、と質問したようだった。リーフィのいうように魚の白身が見えているので、そのとおりの料理なのだろう。香辛料を効かせてあるらしく、食欲をそそる香りが漂っていた。
 しかし、だ。
 シャーは、今日は香辛料の香りに食欲を掻き立てられている場合ではない。
 いつの間に入ってきたのだろう。ゼダと真剣な話をしていたとはいえ、それなりに注意を払っているはずだったが。どうも、この男には、そういう妙なところがある。まあ、この店自体が、来客に気づきにくいようなつくりになっている部分もある。昨日とて、メハルやザハークの来訪に気づかなかった。
 しかし、それを考慮しても、ザハークがかなり気をつけて、気配を消してきたのは確かだろう。普段の彼の性格から考えれば、もっと大雑把で、扉を無遠慮に乱暴に開けて入ってくるはずだからだ。彼はこの店を訪れる時、……おそらく、自分たちがいる時にだけは、間違いなく気配を消して入店してきている。
 リーフィの隣に座っているザハークは、割りに真剣な表情でリーフィの講釈をきいている。
「しかし、魚の料理など、俺が滞在している間には料理店でみかけなかったな。特に海の魚などなかったように思うのだが」
「ああ、それは、このところ、王都が閉鎖されていたからじゃないかしら。さすがに、そろそろ商人の一部は通行許可がでているの。それで、入ってきたお魚だと思うわ。干物ではないみたいだし。それに、色々な種類の香辛料で味付けして、香草を添えるのよ」
「そうか。なるほど、それで疑問が解けたぞ。わはは、それにしてもお客人は、なかなか料理に詳しいのだな」
 ザハークは、素直に感心したような顔でうなずいていた。そして、思い出したようにたずねる。
「もしや、カレーなども詳しいのか? 作ったりするのだろうか?」
「リーフィのカレーはうまいぜ、蛇王さん」
 と、ゼダが二人に割って入る形で声をかける。ザハークは、今気づいたようにこちらに目を向けた。
「おお、なんだ、この婦人たちは、お前等の知り合いか」
「まあね。カレーは、リーフィの働いている店に行ったら作ってくれるぜ。なぁ、リーフィ」
 そうゼダがリーフィに話を振ると、彼女はええ、とうなずく。
「お口に合うかわからないけれど、来ていただければ作るわ」
「おう、そうか! それでは、あとでネズミ小僧に店の場所を聞いておくことにするぞ。すぐには行けそうにないが、機会があれば、是非よろしく頼む!」
 ザハークは、そういってからからっと笑って立ち上がり、シャーとゼダのほうに向かう。
「おう、遅くなってすまなかったな。お前等。今日の首尾はどうだ?」
 などと、のんきなことをたずねる。その様子は、いつもの彼だ。いっそのこと子供っぽいほど愛想がよくて、底意を感じさせない。だが、その底意のなさが、かえって不気味に感じられるのだ。
「それにしても、今日は客が少ないな。昨日の騒ぎのせいか?」
「もちろんだよ、蛇王さん。周囲に兵士がいっぱいいたろう?」
「おう、俺などは何かと目立つからな。昨日みたいに絡まれては敵わんので、役人のいない道を通ってきたら、ここまでたどり着くのに時間がかかったわ」
 ゼダの言葉にそう答えて、彼は肩を竦め、それから指をはじいて音を鳴らしながら、思い出したように言った。
「おお、そうだ。そういえば、お前等に言うのを忘れていたことがあってな」
 と、ふと、ザハークは、やや居住まいを正す。
「実はな、少し事情があって、王都を離れねばならんのだ。今宵、発とうと思う」
「ええっ、そうなのか!!」
 と、ゼダが本気で残念そうな口ぶりで驚いた。
「ずいぶん、急な話じゃないか」
「うむ、まあ、急には違いないんだがな。先ほどあの娘からカレーの話もきいたし、俺はもっとこの街にいたいのだが、騒ぎが起こっていて、どうも身の危険を感じてな。一旦、王都を出ようと思うのだ。朝まで待たされるかもしれんが、宵のうちには宿を引き払いたくてな」
 そういうザハークも、やや残念そうだった。それが本音なのかどうなのか、見かけではわからない。少なくとも、あのゼダが信用する程度に、彼は残念そうだった。
「そうか。でも、蛇王さんにも、何かと事情があるもんな。そいつぁ、残念だけど……」
「うむ。すまんなあ。また、俺が生きていれば立ち寄ることもあるだろうが」
 ザハークは、そう謝りつつ、顔を上げて表情をころりと変えた。
「だが、最終日ということで、今日はお前たちの弓の腕についてしっかり確認させてもらうぞ! どれだけ上達したか見せてくれ!」
「おう! 任せとけよ!」
 ゼダは、そう答えつつ、不意にシャーに顔を見せた。
「テメエもちょっとは上達してんだろ? 黙ってねえで返事しろよな」
「あ、いや、ああ」
 いきなりそう振られて、シャーは、思わずぎこちなく返してしまう。
 その様子に気づいたのか、ザハークが、シャーの方に顔を向けた。
 揺るがない瞳だ。まっすぐにシャーを見る目には、濁りというものがない。迷いもなければ、疑いもない。ただ、その目から、彼の本心を読み取ることは非常に難しかった。彼の目の中には、何の感情も思惑も浮かんでいないのだ。
「おう、どうした? 元気がないようだな。何かあったか?」
 ザハークは、にぱっと爛漫に笑う。
「あ、いや、急にそんな話聞いたもんで、うっかり反応できなくってさあ。でも、本当かい、オレも蛇王さんがいなくなるとさびしいよ。んでも、特訓の仕上げ……」
 シャーは、そこまで答えて愛想笑いを浮かべつつ、ふと、懐の手紙のことを思い出した。
 ――今夜夜半、王都南方、月神殿の尖塔のふもとで、一人で待つ。
 ――少し事情があって、王都を離れねばならんのだ。今宵、発とうと思う。
(王都の門はまだ閉鎖されている。夜間に開くはずがないから、急ぐ必要はない。それじゃあ、そんな急いでどこに行くつもりなんだい、蛇王さん)
 手紙の内容と先ほどの彼の言葉が交互に頭に浮かんだ。
 ザハークが、サギッタリウス本人だとしたら、間違いなく自分のことを標的だとわかっている。矢文を送りつけてきたのだから、当然だ。それなのに、これらの言葉、態度は何なのだ。
 自分を暗示させて楽しんでいるのか、それとも、挑発? いや、それとも――。
(これは勝負なんだ)
 シャーは、すでに気づいていた。
(これは、もう、オレとヤツとのサシの勝負なんだ)
 もう戦いは始まっている。まったく彼に殺気を感じなくても、その腰にある新月刀に彼が指一本触れていなくても、もう戦いは始まっているのだ。これは、心理戦だ。お互い裏を読みあい、探り合う。そんな戦いなのだ。
 シャーは、にっと笑った。
「よろしくな、蛇王さん」
 それをなんととったのか、ザハークは、にこりと明るく笑う。
「おう、よろしく頼む」
 その笑顔には、一切の悪意はない。不気味なほどに、悪意がなさ過ぎる。相変わらず何を考えているのかわからないのだ。その笑みを受けて、シャーは、立ち上がった。表向きは陽気に振舞いつつも、心の内はもう戦意に燃え上がっていた。
 ああ、アンタがそういうつもりなら、受けて立ってやるよ! 
 シャーは、ひそかに青い瞳をひらめかせた。

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