辺境遊戯・幻想の冒険者達/©渡来亜輝彦2004
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あとがき
  
 辺境遊戯第一部を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。これは、二部を含めて一つの話が終る設定になっていますので、本来なら区切らずに行こうと思いましたが、思いのほか長い話になってしまいました。それもあり、一端ここで区切りをつけることにして、一部、二部と分けさせていただくことにしました。
 
 もともと、辺境遊戯は、ファルケンが準主役をつとめる物語で、過去倉庫にあるように、彼が弟子の王子をひたすら鍛えまくる話でした。ですが、このファルケンは、意外に灰汁の強いキャラクターで、周りの人物の存在感を自分の灰汁で消してしまうようなキャラクターだったのです。それで、どうもうまく書けなくなり、一年近く書かずにほうっていました。
 その時、レックハルドが脇役として出てくる話をいくつか書いていたのですが、その彼の存在が徐々に自己主張をはじめてきた時、彼に友人の一人でも作ってやろうということで、引き合わせたのがファルケンです。実は、このときもう一人友人候補として、これまた中途でほったらかしていたダルシュも引き合わせたのですが、ダルシュとは見事にそりが合わず、かえってあまり期待していなかったファルケンと相性がよかったようです。
 そうして、三つの別個の物語のキャラクターをあわせて作ったのが、今の辺境遊戯という物語でした。もともと、長い話にする予定はなく、十話ほどで終る連作短編のような形式にするつもりだったのですが、途中でこんな風に長編に変更しました。まさか、ここまで長い物語になり、飽き性の私が根気良く続けられるとは思ってもみなかったのですが。それで、後付の細かい設定ができてきたりしたので、読者の方には、もしかしたら読みづらい部分があったのではないかとも思っております。
 新しく辺境遊戯を作り直す際、脇役だったのも手伝ってもともと三十代でかなり大人の人格だったレックハルドとファルケンとダルシュは、年齢層を下げ、その性格も幾分か年相応に幼くしました。今思えば、それはそれでよかったと思っています。

 この話には、さまざまな本などを一応参考にして書いています。物語の中心には、少しだけギルガメシュ叙事詩をなぞらえて書いたところもありました。最後のくだりはそれもふくめているのですが、二部からはかなりそれていくと思います。

 第一部は、レックハルドが砂漠に消えて終わりです。二部からは、砂漠を旅するレックハルドと、その後を追うイェーム、それから辺境の中心の核心についての物語が続くことになります。このラスト、ファルケンの最期については少し迷ったのですが、あまり簡単な最期だと、彼の精一杯の決意が台無しになるような気がして、結局このような結末にさせていただきました。
 
 第一部は、週一のペースをなるべく守るということで連載させていただいたのですが、書き終わってしまうとなかなか見直せずにアップロードしてしまったので、かなり誤字脱字が多かったと思います。見苦しいところもあったと思いますが、本当にありがとうございました。しばらく誤字脱字修正などをしてから、ダウンロード版の整備などをしたいとも思っておりますが、第二部の冒頭は少しアップしておきたいと思っております。これから私も少し忙しくなってしまうので、少し更新が不定期になるかもしれませんが、最後まで書きたいと思っていますので、もし、よろしければ第二部もお付き合いいただければ幸いです。本当にありがとうございました。

最後に、相談に乗ってくださったり、キャラクターデザインを頼んだりと、
色々お世話になりました友人達にお礼申し上げます。

                            2004.10.1 渡来亜輝彦拝

もしよろしければ、感想などいただけると幸いです。






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